Vol.7 LOVE-02~Episode 26~


翌朝(8/30)、目を覚ました僕は朝食をとっていた。
少し斜面となっていたので寝心地はあまりよくなかったが、
悪いというほどでもなかった。
昨日はお互い存在に気はついていたものの話しかけはしなかったが、
今朝になってこのキャンプ場に泊まっていたもう一人のチャリダーが話しかけてきた。
その人は僕と同じ、まだ学生だった。
その人の通う大学は、9/20くらいから後期授業が始まるので、それまではずっと旅を続けるらしい。

「20日まで休みか…いいな。」

僕は少しでも長く旅ができるその人がうらやましかった。
その人は自転車で先に旅立ったあと、
僕は昨日登っても見れなかった利尻富士見ようと、もう一度展望台に登ってみた。

今度は利尻富士が見えた。

↑真ん中より左側海のむこうにうっすら見えるがわかりますか?

走り出した僕は海沿いのルートから、本来予定していた山側のルートに戻るため、少しだけ北に戻って道々119に合流した。
ここでついに利尻富士とのお別れ地点だ。

「さようなら利尻富士…」

同道119をしばらく進むと、国道40に合流した。

ここしばらく、ずっと海側の道ばかり走ってたので、山道はずいぶん久々だった。

音威子府の道の駅で食事をした。
店は綺麗でちょっと洒落ていた。

音威子府の道の駅を後にした僕は国道40号沿いに走ると
美深町に入った。

周りは田んぼばかりになり、その景色に妙に懐かしさを感じた。
そこは僕の地元の町にとても似ていた。
遠くに山のあるその大きさといい道の雰囲気といい。

見間違えるほどだった。

僕はしばらく地元の道を走っているような錯覚を覚えた。

今日の目的地である士別市の日向森林公園キャンプ場へは
なんとか日のあるうちにたどり着いた。

襟裳岬では森進一の「襟裳岬」。
幣舞橋ではでは美川憲一の「幣舞橋」が流れていたのは分かるが、
ここ士別の日向にははたしてそれにちなんだ曲なのだろうか。

「盗んだバイクで走り出す~」

と、なぜか尾崎豊の曲が流れていた。


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8/31、昨日のキャンプ場よりもさらに斜面で寝ていたため、昨日と同様
今日も転がりそうになって目覚めた僕。
キャンプ場にはまだ尾崎豊のシェリーが流れていた。

「転がり続ける 俺の生き様を…」

(↑それはウソ。そんな朝っぱらからタイミングよく曲など流れない)

キャンプ場の朝は霧だらけだった。
「やる気しねぇ」
と思ってキャンプ場を出てしばくもしないうちに霧は晴れた。
天気はまた快晴となった。
僕はまたこののどかな田園風景を写真に収めた。

和寒を抜けると20日ぶりに旭川の町に入った。
20日前といえば、あのライダーNと別れたあと、予定遅れとなった距離を
取り戻すために層雲峡へ向かっていた。
(その後キャンプ場で最悪な目にあうとも知らずに)
その時、旭川は通ったが、層雲峡へ急いでいたため、ほとんど素通りだった。

で、今日も、札幌への急ぐため、ほとんど素通りとなってしまうのだ。
旭川を通過すると同時に国道40から12へ乗り換え、ひたすら札幌へ向かった。

夕方くらいから雨が降ってきた。

午前中は快晴だったのに、嫌な感じだった。
滝川市に入ったときは、もう辺りは暗くなっていた。

自転車で夜の雨の中でキャンプ場を探すのほど嫌なものはない。
体力も疲労してるし、注意深く回りを見る余裕はない。

僕は目的地の滝川公園キャンプ場を探したが、どうも見落としたのか、
それらしい場所が見当たらなかった。
というより、
「この街中にそんなキャンプ場があるのかよ」
という感じだった。

 

Vol.7 LOVE-02 Episode 26