Vol.3 TOURIST-09~Episode 13~

 一息ついた僕はこの国設糠平キャンプ場のすぐ近くの糠平温泉に行ってみることにした。

温泉で体を洗って湯につかった僕は、ふと露天風呂があることに気がついた。

僕はドアをあけて外に出た。

「あまり眺めはよくないが、まずまずといったところかな・・。」
「・・!!??」

露天風呂につかって僕はさらにあることに気がついた

「こ、・・これは・・女風呂と・・・、つながっている!!」

だが女性側で露天風呂まで出てる人は誰もいなかった。

「くっそ~。こうなったら誰かが来るまで待ってやるぜ。」

僕はひたすらにそこで女の人が来るのを待った。しかしその思いは空しく、そこに入ってくる女の人は誰もいなかった。

結局そんなことしながら2時間が過ぎた。僕はついにあきらめて、その湯から出た。
でも実際その場所に女の人が来たとしても僕はあわてて逃げるにちがいない。だが、一目その姿を拝むことができれば僕の気もおさまったことだろう。

「まあ世の中そんなに甘くはないか・・・」

僕はのぼせた体でキャンプ場に戻った。
その勢いで僕は眠りについたがその夜は納得のいかない夜だった。


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 翌朝目覚めた僕は朝食をとり、ゆっくりと出発の準備をした。

今日は唯一の休みの日、今日はもう一日ここに泊まるので丸一日ゆっくりしてていい日。

・・・・のはずだったが昨日少しだけ予定を変更して本来行かなければならないキャンプ場まで行かず、その20kmほど前にあるこのキャンプ場に泊まっていたのだ。
だから今日は昨日サボった分だけは走らなければならない。

「まあ20km程度やし、楽勝や。」

と安易に考えていたが山道の20kmはかなりきつかった。
これが本来なら昨日のあの三国越えのあとに越えるべき山だったと思うとゾッとした。昨日は無理して夜間走行しなくて正解だったようだ。

ようやくその本来は昨日到着していてるべきキャンプ場、然別湖国設キャンプ場にたどり着いた。

そこはまさしく然別湖のすぐそばだった。

僕はテントを張り、ゆっくりしていた。

・・・・が、こんな何もない所でじっとしてる方がかえって苦痛と感じた僕はとりあえず買いだしに行こうと、結局自転車に乗った。

然別湖畔温泉の辺りがこの辺で一番人っ気の多い場所のようだったのでそこで僕は食べ物を調達できる店をさがした。

だが、この辺りは山。
観光地なのでさすがに旅館やレストランなどはあるがコンビニやスーパーなどのように、食料が手に入る店なんかはなかった。

僕はもう少し探してみようと、この場を離れて道道に出た。
(北海道なので県道ではなく道道なのです)

Vol.3 TOURIST-09 Episode 13